「シリコンバレーD-lab.レポート」の衝撃

私が「beyond the chemistry」を本気で考えるきっかけになったのが、2017年3月に公開された「シリコンバレー D-lab. レポート」です。

 

シリコンバレー D-lab.レポ―ト

http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170404002/20170404002-1.pdf

 

このレポートは、シリコンバレーでの自動車産業の激動を目の当たりにしたJETRO、在サンフランシスコ日本国総領事館パナソニックトーマツベンチャーサポートの有志4名が、現地の有識者の方へのヒアリング結果を元にまとめた全124ページの大作です。

 

経産省の支援があるとはいえ、「これ、無料で公開していいのか?」というレベルの内容で、とても知的好奇心をくすぐられるものでした。

 

【内容】

目次はこんな感じ(一部抜粋)

1.はじめに
2.自動車業界に起きている4つのビッグトレンドを理解する
-シェアリング
-コネクテッド
-電気自動車(EV)
-自動運転
3.自動車産業を襲う破壊的影響
4.新時代のビジネスチャンス
5.成功事例集(部品メーカー等)
6.各インタビューの概要
7.まとめ

 

4つのビッグトレンド

2.の4つのビッグトレンド(シェアリング、コネクテッド、電気自動車(EV)、自動運転)、個々のキーワードとしては日本でも特に最近耳にしますが、この4つはバラバラに存在するのではなく、因果関係があるということにも触れられています。

 

つまり、個々のトレンドが実現するかどうかを議論することより、その因果関係を認識し、その接点がいかに繋がるかどうかを見定めることの方がより重要だと感じました。

 

【最も衝撃的だったスライド】

また、製造業に携わる身としてはp32のタイトルが衝撃的。

 

 

「シェアリング移行により最大53%の保有台数減」

 

 

 

シェアリングが進んでいくと、最大で全世界の車の台数が、半分、になる。

 

 

ほぅ。

 

車の台数が半分になると、

 

 

車のインパネ、

 

ヘッドライト、

 

タイヤ、

 

窓ガラス ・・・・

 

も半分になる。

 

 

これは自動車に携わる全産業にとって衝撃的な予測だと思います。

自動車産業にとっては正に直面する課題であるため、例えばトヨタさんはシェアリングに向けて動きを見せたり(http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1708/17/news054.html)、先日ホンダさんがコネクテッドの領域で中国のアリババとの共同開発を発表したり(http://www.sankei.com/economy/news/180102/ecn1801020006-n1.html)、待ったなしの状態ですが、

 

化学産業ではどれくらい切迫感があるか?については、まだまだこれから、という状態かと感じます。

 

じゃあ、化学産業はどう対応するの?という点に関して、昨年11月にシリコンバレーを訪問し、自分なりの仮説を考えてきたので、また次回に。