昨年3月末に公開されたシリコンバレーD-lab.レポートに感銘を受けてから半年以上たった11月中旬、私は現地でレポート作成者のお一人とお会いできることになりました。
まだ一度もお会いしていない4月頃に、facebookメッセンジャーでいきなり暑苦しいメッセージを送って面会のお願いをし、それに快く受けていただいたことに、今思えば感謝感謝です。
最初は先方のオフィスにお邪魔する予定でしたが、
訪問の1週間前に連絡があり、急きょ海外出張が入りお会いできないとのご一報が。
「うわーまじかー!これは痛恨・・・」と思っていたところ、
先方の出発日・出発空港 と
私の 到着日・到着空港 が 偶然一致していたことが判明
その結果、サンフランシスコ空港のカフェでお会いできることになりました。
私が先に到着し、予め準備していた聞きたいことリストを見直す。
「聞きたいことは4つ。まず自己紹介して、聞きたいことを質問して・・・時間は1時間半だから1つ20分以内。あ、始動プログラムのメンタリングもしていただきたいんだった・・時間がない・・」
と考え事していると、コーヒーを頼んでいないことを思い出し列に並ぶ。
現地の人と初めての会話。
「カッフィープリーズ」「ハア?」
「いや、だからコッフィーだって」「ン?」
わたしはどの国行っても、コーヒーを一発で伝えられたことがありませんorz
その後なんとかブレンドコーヒーをゲットして、到着を待つ。
「あ、こんなことも聞きたいな」
「あの取材記事をもう一度見直そう」
と考え30分ほどすると「こんにちは!」と声と共にさわやかな日本人登場。
「わー初めまして!」と握手を交わす。想像していた通りとても気さくな人。
「コーヒー買ってきますね」「あ、はい」
(どう発音しているか聞きたいw)
その後、お互い席に座って自己紹介もそこそこに、
私が化学業界にいること
シリコンバレーD-lab.に興奮したこと
このレポートを公開頂いたお礼
をまくしたてる。
その後は、私が勝手に妄想している「化学産業がSVに拠点を置く目的や価値を産む方法」についていくつかアドバイスを頂きました。
この投稿ではその一つの「デジタル化時代の顧客接点」を振り返ります。
■顧客との接点の変化
これまでの製造業の流れは
素材(化学産業)→ハードウェア(自動車、電機)→ユーザー(消費者)
でした。これをアナログ時代、と名付けるなら、
これから来る(もしくは既に来ている)デジタル時代は
素材 → ハードウェア → アプリケーション・サービス → ユーザー となる。
つまり、ユーザーとの接点を持っている企業/産業が
これまでのハードウェア(車ならトヨタ、ホンダ等)から、サービスを提供する会社(車ならUber,Lyft)に変わってきているのではないか、という解釈です。
■顧客接点の変化が起こった理由
この変化が起こっている理由が、
①スマートフォンがものすごいスピードで消費者へ浸透したこと と
②モノを持つことを良しとしないミレニアル世代が一定割合を占めだした
ためである、とのお話しを伺いました。
そうなると、今後消費者が何を考え何を求めているか、を一番近くで精度高く考えられるのはサービス提供会社ではないか。同じ車向けの部材を開発する化学産業も、ハードウェアメーカーだけではなく、UberやLiftのようなサービス(プラットフォーム)会社とコンタクトを取らないといけないのではないか。
そのためには化学産業が彼らの拠点があるシリコンバレーに拠点を置いて、継続的な接点を持つ必要があるのでは?という話でした。
化学企業がUberとディスカッションをするというのは現在ではイメージがつきにくいですが、彼らが欲しがる車を創るための材料を開発する、というのは3年経つと当たり前の常識になるかもしれません。
このように、時代が変わると消費者に近い産業が変わり得るということを、川上産業である我々も意識せねばならないという気づきを得ました。
■考察
さらに一歩先を予測するなら、アメリカよりも人口が多くて土地も広く、怪しい白タクも多いであろう(←偏見ですw)中国とインドの方が要注目かもしれません。
そうなると、中国の滴滴出行やインドのOla Cabsと化学産業がコラボレーションして新しい材料を開発する、というニュースがいずれ出てくるかもしれません。これは個人的にワクワクします。
インドの埃にも耐えられる塗料、とか
PM2.5を吸収して無害化するバンパー、とか
しかしこれもいずれも「材料」の範疇です。
"beyond the chemistry"という観点で新しいビジネスプランは?というのを次回に。