年の瀬に素材産業におけるサーキュラービジネスを考える第2弾。
第一弾では世の中全体のサーキュラーエコノミーを考えるより、自分の手の届く範囲で確実に廃棄している"自社の廃棄物"に着目し、それらを活用して新しい価値を産んだり、他の使い道がないかを考えてみようと思った。
beyondthechemistry.hatenablog.com
●製品のリセールバリュー
このブログの中で「一生の中で高価な買い物に分類される、家や車、衣服などであっても、使いたいときに手元にあればよい、複数人でシェアしてコストを押さえる、それが合理的だよね、と考える人の割合が少しずつ増えてきている」と記載した。
家も車も人間にとって大切、だけどやっぱり高い。そうなるといざ何かあって手放すときに、それが資産となって高く売れるか?という「リセールバリュー」を念頭にいれつつ購入してきた人が多いであろう。それが人気のエリアにある住居なのか、あるいは中古車市場に人気のある車なのか。
(私が社会人になって最初に買った車は知り合いから「この会社はリセールバリュー低いよ」とはっきり言われたのを思い出した汗)
家も車も高価な買い物だから判るが、衣服等の嗜好品や消耗品の部類でさえも、売却を意識して新品を購入している、という記事もあった。
これはサステナビリティという世間の潮流が今の若い世代からじわじわと浸透し始めている現代に、スマホや画像認識というテクノロジーの進化がマッチして無理なくCtoCでやり取りできるようになったということなのだろう。
●素材における"廃棄しやすさ"とは?
ようやく本題。今まで顧客における製品の価値というのは「製品の中核」「製品の実体」「付随機能」という3層モデルになっていた。
スマホだったら「①(当然ながら)話せる」「②(さらに)写真も撮れる」「③(おまけに)アフターサービスもある」という3層。これらがすべて満たされるとコスト勝負にシフトし、同じものをどこでも作られるようになると、より人件費や工場建設費の安い途上国にシフトするのは合理的な流れ。
これに、これから「廃棄しやすさ」という価値が新たに産まれないだろうか。「廃棄しやすい」「分解しやすい」「分離しなくてもよい(=1材のみで構成される)」材料や、「アップサイクルしやすい」「CO2を環境に出しにくい」樹脂等。
新しい軸の価値が産まれると日本の素材産業主導で世の中の人や地球に新しい価値を訴求できるのではないかと思う。